特集

未来を担う若手研究者

新たな歯科治療を築く高度研究に
使命感を持って取り組む。

エア・ウォーターグループアエラスバイオ株式会社AERAS BIO INC.

歯髄再生治療のパイオニアとしての誇りを胸に

ーーアエラスバイオ株式会社の事業内容について教えてください。

アエラスバイオ株式会社(以下・アエラスバイオ):当社はエア・ウォーターのグループ会社として2018年に設立し、歯髄再生治療事業を展開しています。親知らずや乳歯などから歯髄幹細胞を採取し、培養して長期保管するアエラスバイオ歯髄幹細胞バンクを開設。虫歯などが原因で歯の神経を抜く際に、バンクに預けた歯髄幹細胞を用いて歯髄を再生させる歯髄再生治療を、2020年に世界で初めて実用化しました。

ーーどのような業務に携わっておられますか。

アエラスバイオ:2019年に入社して以降、研究部に所属し、歯髄幹細胞バンク事業と歯髄再生治療に関わる研究開発に取り組んでいます。歯髄幹細胞の培養条件最適化や、歯髄再生を促進する薬剤の開発など、歯髄再生治療のさらなる発展に向けて力を注いでいます。歯髄幹細胞のバンク事業や歯髄再生治療は始まったばかりで、まだ認知度が低いため、今後は広報宣伝活動にも注力したいところです。

ーー仕事にやりがいを感じるのはどのような時ですか。

アエラスバイオ:入社当初から歯髄再生治療の実用化に向けた動きが加速し、私もプロジェクトメンバーの一員として多忙な日々を送りました。限られた時間の中で滞りなく仕事を進めるのは大変でしたが、目標設定や計画立案をしっかりと行い、実現できた時は達成感もひとしおでした。今は自分の研究成果が事業の基盤となり、お客様の健康に貢献できることが一番の喜び。歯科分野の新たな治療法を開拓していく仕事にも誇りを持っています。

ーーアエラスバイオに入社したきっかけはなんですか。

アエラスバイオ:就職活動を始めた時に「エア・ウォーターが歯髄再生医療の分野で新規事業を展開するにあたって、即戦力となる人材を探しているけれど興味はないか」と、お世話になっていた教授が声をかけてくださいました。事業の立ち上げと開発段階にある歯髄再生医療のどちらにも携われるまたとない機会。自分にとって貴重な経験になると確信しました。また、地元での就職を希望していたこともあり、迷うことなく入社を決めました。

ーー入社して感じた御社の魅力を教えてください。

アエラスバイオ:働きやすい職場環境が整っていることのありがたさを実感しています。時間有給制度やフレックス制度がきちんと運用され、オン・オフの切り替えが自分で調整できるのは大きな魅力。この先ライフステージが変化しても、働き方を描きやすいと感じています。残業もほとんどなく、定時で退勤できる日も少なくありません。早く帰宅してゆっくりと体を休ませ、仕事への英気を養っています。

大学時代培った経験や人脈が財産

ーー学生時代はどのような学問に取り組まれていましたか。

アエラスバイオ:大学4年生から博士課程修了まで、自然免疫で働くマクロファージという細胞の活性化メカニズムについて研究をしていました。マクロファージは腫瘍免疫との関わりが報告されており、その機能を明らかにすることで、新しいがん免疫療法の開発につなげたいと考えていました。

ーー研究者を志すようになったのはいつですか。

アエラスバイオ:小学生の頃です。試験管の中で試薬が混ざり合い、変色していく経過を観察するのが楽しく、研究者に憧れを抱くようになりました。高校で生物を学ぶうちに理系のおもしろさを再認識し、学問を深めようと甲南大学フロンティアサイエンス学部(FIRST)に進学しました。

ーー大学時代から神戸医療産業都市内の企業等とつながりがあったそうですね。

アエラスバイオ:都市内の企業とマクロファージについて共同研究を行っていました。大学1年生の夏休みにはHI-DECでアルバイトをしたこともあります。当時知り合った人たちとは今も交流があり、私がアエラスバイオに入社してからは、仕事でご一緒する機会にも恵まれました。FIRSTの学生たちは、産学連携サロンや神戸医療産業都市内でのアルバイトを通して進出企業や機関の情報を得ることができ、就職活動を進める上で大きなアドバンテージになっていると思います。

ーー学生の頃と現在の自分では、研究へ取り組む姿勢に変化はありますか。

アエラスバイオ:学生時代は自分の興味関心を追究することだけに集中していましたが、今は会社の成長や社会貢献を意識しながら、広い視野で研究に取り組むようになりました。壁にぶつかった時は、経験豊富な上司や同僚の助言が支え。そこから得た気づきや発見を自身の研究に生かしています。

組織の垣根を越えた交流に刺激を受けて

ーー神戸医療産業都市で研究者として働くメリットはどこにありますか。

アエラスバイオ:優れた研究機関が集積する神戸医療産業都市は、組織の枠にとらわれず研究者間で相談がしやすい環境があり、課題や問題が発生した時も迅速に解決することができます。私も研究でつまずくと母校を頼り、教授に相談したり、実験室を使わせてもらったりしています。また、三ノ宮からのアクセスが良く、通勤のストレスが少ないのもメリットの一つではないでしょうか。

ーー神戸医療産業都市内の企業交流会に興味があるそうですね。

アエラスバイオ:コロナ禍前は当社の社員がオープンイノベーションカフェなどに出席して人脈を広げ、企業間でセミナーや会社見学などを開催していました。神戸医療産業都市で共に切磋琢磨する研究者との触れ合いは、情報をアップデートし自分を磨くために必要です。私も機会があればさまざまな交流会に参加し、見聞を深めたいと思っています。

ーー今後の目標や夢について教えてください。

アエラスバイオ:今は先輩たちの研究をサポートする立場ですが、今後は自分がリードして研究を推進できるように成長していきたいです。日々の自分の研究を振り返ると、まだまだ無駄な作業が多いので、もっと効率的に取り組めるよう精進したいと思います。