特集

未来を担う若手研究者

学部卒で研究職へ。
女性の輝ける場所が、ここにある。

株式会社ナード研究所
神戸研究所NARD INSTITUTE, LTD. Kobe Lab

Interview 2021年1月

若い研究者がのびのび育つ環境

ーー ナード研究所の事業内容について教えてください。

ナード研究所(以下・ナード): 1972年の創業時から化学分野の受託研究サービスを行っています。尼崎にある本社では主に機能性材料系分野を、神戸医療産業都市にある神戸研究所でライフサイエンス系分野を担い、電子材料、バイオ関連材料、医薬品、農薬など幅広い研究開発をサポートしています。

ーー どのような業務に携わっておられますか。

ナード: 私は神戸研究所に勤務し、ライフサイエンス研究部で有機化学を用いて行う低分子合成やライブラリ合成を得意とする4グループに所属しています。入社4年目の今はライブラリ合成を担当することが多いですね。医薬品になるかもしれない類似体を、ひと月あたり100〜200種並行して合成しています。

ーー 日々の研究で壁に当たったときはどうしていますか。

ナード: 各分野に精通した先輩や上司がいるので、わからないことやトラブルが起こったときは、すぐに相談します。入社当時はフラスコの扱いにも不慣れでうっかりミスもしばしば。そのたびに周りの人に優しくサポートしてもらい救われました。

ーー 職場の雰囲気がとても良さそうですね。

ナード: はい。コロナ前はよく社員のみんなで集まって飲み会やスポーツなどを楽しんでいました。仕事ではあまり顔を合わせることがない人でも、遊びを通して仲良くなることもあります。ここ数年は同世代が増え、仕事の悩みを気軽に話したり、情報を共有して仕事に生かしています。

働きやすさとやりがいを実感する体制

ーー 学生時代はどんな勉強をされていたのですか。

ナード: ポートアイランド内にキャンパスがある甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科で、有機化学や無機化学などの基礎を学びました。1回生のときから少しずつ研究や実験を経験し、3回生からはナノ材料科学研究室に入り、卒業まで多孔性金属錯体の触媒利用について研究していました。

ーー ナード研究所のことを知ったのはいつですか。

ナード: 大学3回生の時です。学内の就活イベントでナード研究所を見学できると知り、興味があったので気軽な気持ちでのぞいてみました。その時、女性社員の方がいきいきと働く姿に好感を持ちました。

ーー ナード研究所に入社する決め手になったのは。

ナード: 2つあります。1つは産後に復帰する女性社員が多いと聞き、働きやすそうだなと思ったことです。研究職の女性は出産で仕事を辞めるケースが多いのですが、当社の産後復職率はほぼ100%。復職時に時短勤務かフルタイムかを選べる点も女性には魅力的だと思います。

ーー もう1つの決め手とは何ですか。

ナード: 見積もりから研究成果の報告まで担当者が一貫して関われる体制です。大企業だと案件の一部しか担当できず、自分がやっている仕事の全体像がはっきり見えません。業務全般に関われる点にきっとやりがいがあると感じました。

「もっと学びたい気持ち」が何より大切

ーー 研究職は大学院卒が多い中、学部卒で採用されたのはなぜだと思いますか。

ナード: 私の場合、学部卒でも実験経験をある程度積んでいたことと、研究職への強い情熱を評価してもらえたようです。当社は学部卒にも広く門戸を開いています。専門性だけでなく、実験が好きで学びたい意欲が高ければ採用につながりやすいのではないでしょうか。

ーー 実験技術以外に必要な能力はありますか。

ナード: 当社は研究員が窓口となりお客様と直接交渉を行うので、コミュニケーション能力に長けた人材が求められます。先輩たちの仕事ぶりを見ていて、お客様とのやりとりの中でより一層コミュニケーション能力が鍛えられそうだなと感じています。

ーー 神戸医療産業都市内での企業交流会に参加したことはありますか。

ナード: いいえ。でもオープンイノベーションカフェや企業間の親睦を深めるイベントに興味はあります。気軽な場でつながりが生まれ、新しい仕事に発展しやすいことは神戸医療産業都市で働くメリットの一つ。コロナが収束し再開される際には参加してみたいと思います。

ーー これからの目標を聞かせてください。

ナード: 早く独り立ちして、私も先輩たちと同じように複数の実験を同時進行できるようになりたいですね。